街中の名水

d0085096_19525633.jpg我が鹿角盆地の地形はなかなか面白い。盆地ゆえ、当然周りを山に囲まれておるのじゃが、その内側には平坦な台地が広がり、そのまた内側に一段低い平坦な土地があるという、二段構造になっておるのじゃ。おまけに台地は幾筋も内側に細長く突き出ておって、これが舌状台地という特異な地形を見せておる。この話をし始めると止まらなくなるので地形のことはまた後日書こう。
で、台地の下というのは湧き水が豊富なのはどこも同じよ。鹿角盆地は南北に細長いのじゃが、盆地が最も狭くなっておる―腰のくびれのような―位置に、鹿角地域で最も大きな街・花輪町があるのじゃ。ここは台地が最も迫っておるところゆえに湧き水も昔から使われておった。その代表格が写真の「御伊勢堂」の湧き水じゃ。
d0085096_19532855.jpg昔から貴重な、そして美味なる水源として利用されておった「御伊勢堂」の湧き水は、通称「おせどの水」と呼ばれ親しまれてきたのじゃ。その用途は地域の民の生活用水としてはもちろんじゃが、時期ともなれば造り酒屋が仕込み用の水として使っておったようじゃ。酒というのは麹や原料米にもちろん味が左右されるが、水も重要なファクターじゃ。造り酒屋でおせどの水を確保しとったということは、名水としてのおせどの水の実力の証しよの。そのおせどの水湧き出でたる場所、今も近所の民の憩いの場となっておる。
ついでにいえば、鹿角の花輪といえば南部と津軽を結ぶ鹿角街道の要衝じゃ。鹿角街道を行き交う旅人も、おせどの水で喉の渇きを潤したそうな。こりゃ鹿角を冒険する際には絶対に必要な場所といっても過言ではないぞえ。
d0085096_1954166.jpgおせどの水があるあたり、在りし日の鹿角街道と昔の花輪町の雰囲気も満点じゃ。立ち並ぶ商店の軒先に延びた屋根は近代のアーケードのはしりで、雨の日でも買い物が出来、また軒先での商売もできるという先人の知恵よ。すぐ近くにはかつておせどの水で銘酒を造っておった関善酒店も保存されておる。その向かいでは以前紹介した花輪の市日(3と8のつく日開催)がひらかれる。この界隈の雰囲気、無くしたくないものじゃ。皆も行って和めよ。(朕)
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御伊勢堂、おせどの水はココじゃ。(朕)
by deepkazuno | 2006-08-09 19:56 | 酒場あばん亭
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