エビラ

皆、連休最終日を味わい尽くしてござるか?メジャーダイミョウでござるじゃ。
さて、余は本日、陛下の筆頭幕僚殿と共に隣国弘前へ威力偵察に出掛けたのでござるじゃ。先の弘前城内戦では手酷い敗北を味わいましたからのう。諜報の大切さが身に染みて分かり申した。万全の下調べの上に、次こそは陛下に勝利を献上いたしたく、家臣一同、連休返上で身を粉にして働いているのでござる。
余と筆頭幕僚殿は、弘前において陛下が陣を敷かれるであろう場所、決戦場となるであろう場所をつぶさに観察いたした。さらには、陛下が昼弁当をつかうべき場所も入念に検討いたした。あーでもない、こーでもないと議論を重ねた結果、「和風レストラン藤陣がよいのでは?」との結論に至り、余と筆頭幕僚殿は検分のため藤陣店内に足を踏み入れたのでござる。
店内はいたって落ち着いた雰囲気でござった。座敷に通された余らの前に広げられたメニューには、実に魅惑的な品々が書き連ねられてござった。その中で余は「江戸前天丼」をチョイス。一方の筆頭幕僚殿は「大海老天ぷらそば」なるものを注文いたした。
ややあって、筆頭幕僚殿の前に「大海老天ぷらそば」がしずしずと運ばれてきもうした。お盆の上にはそばのどんぶりが一つ、天ぷらがのった皿が一つ。筆頭幕僚殿は、それを一目見るなり、
「でけえ・・・」
と言葉を詰まらせたのでござる。筆頭幕僚殿の視線の先には、皿からはみ出しそうなほどの大海老の天ぷらが横たわっていたのでござる。
「どうやって食うんだ、この海老?入れるの?入らねんじゃない?入るの?」
と言いつつ、筆頭幕僚殿はおぼつかない手つきでそばのどんぶりに大海老天ぷらを投入したのでござる。そして・・・。
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かような仕儀に相成り申した。やはり、海老はどんぶりから荒々しくはみ出したのでござる。
「あちっ、あっちっ!」
と熱々のつゆが染みこんだ衣に大苦戦しつつ海老退治にかかる筆頭幕僚殿。海老の天ぷら一つを食うのにこれほど苦闘しておる様を見るのは初めてでござった。
「海老天すらも我らをかくも手こずらせるか。ううむ、弘前恐るべし。」との感をまたしても強くした余であった。(余)
by deepkazuno | 2008-05-06 18:02 | 近隣諸国
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