稲が頭垂れて

稲が頭垂れて_d0085096_11414736.jpg
えー気がつくともう田んぼの稲たちは頭垂れて登熟後期に入っておるようじゃ。どうしよう、稲刈りが20日頃から始まってしまうわ。朕も秘密の副業が忙しゅうなるぞな。稲穂と稲の葉が秋空に映えとるな。このままいけば、美味い鹿角産米がたんと収穫できそうじゃ。しかしな、実は豊作こそ米の生産者にとっては恐ろしいことなのじゃわ、収入の点では。日の本は、海の向こうの米穀、いやさ米国に自動車を沢山輸出しておる。米国は、輸入するだけじゃ嫌だというので、自動車輸入するかわりに米を輸出させろと申して、日の本が義務的に米を輸入せねばならなくなったのが、かの有名なウルグアイラウンドじゃな。日の本では米が余ってきたとて、減反とかやっとるのに、さらに米を輸入せねばならぬというのは不条理なことさね。米国では日本車は義務的に買っとるわけではなかろうが。とにかく、日の本は米国の機嫌なだめるために米輸入しとるわけじゃが、最近はその米国が米を作らんようになって来よった。バイオ燃料の為のトウモロコシに転作しとるのと、連年続く異常気象のためじゃと思うが。で、今、米の輸入を義務付けられておる日の本が、どこから米を買っておるかといえば、タイやベトナム、中国などじゃな。この輸入義務の為に、東南アジアの国々は飢えながらも米を出しとるらしいではないか。これって不条理極まりなかろうよ。そして日の本の国内では、輸入しなきゃならない米に圧迫されて減反はさらに増えておるという図式さね。作付面積はギリギリいっぱいでやっとるから、作況が平年比100%を超えると、例えば101%になっただけで、その過剰生産分は市場から隔離されて生産者の手取りは保留されてしまうわい。買い手は豊作じゃと分かると、豊作分が隔離されておろうが、現実に米はあるわけじゃから、買い取り価格をぐんと下げよる。結果、現場の米生産者は豊作貧乏じゃよ。美味しい米がたくさん獲れた年ほど生産者が泣くというのは、おかしいとは思わぬか。誰が国のトップになるかごっこなぞしとる場合ではないぞなもし。まともにやっとくれじゃ。そのうち食いもん無くなるぞな。以上、朕の嘆きであったとさ。ほれ、稲も心なしか悲しげじゃろ。そうでもない?そうか。(朕)
by deepkazuno | 2008-09-11 12:09 | ダンジョン
<< 気がつけば…… まさに黄金の桃 >>